海外生活をするなら、現金以外の決済手段を準備しておくことが大事ですよね。
特に海外フリーランスとして働く場合、取引先が日本企業であれば、支払いは「円」で日本の口座に振り込まれることがほとんどだと思います。
トランスファーワイズなどの便利なサービスが増えたことで、以前より安く・早く・手軽に海外送金できるようになりましたが、それでも海外移住者なら1枚はもっておきたいのが「海外プリペイドカード」です。
この記事では、
- 海外プリペイドカードのメリット・デメリット
- おすすめの海外プリペイドカード
これらをテーマに紹介します。
2015年から海外で働きながら暮らしている筆者・ナインが、まずは「海外プリペイドカードって何?」というところから解説しますね。
目次
海外プリペイドカードとは
海外プリペイドカードとは「事前にチャージしておいた金額内で決済できるカード」です。
事前チャージが必要
”プリペイド”カードという名の通り、カードを利用する前には事前にお金をチャージしておく必要があります。
基本的には日本円でチャージしておいた金額を海外で使います。
海外で決済する場合は利用金額を日本円に換算し、カードの残高から差し引かれる仕組みのプリペイドカードが多いといえるでしょう。
カードにより特徴が異なる
アメリカドルやユーロなど、さまざまな通貨をチャージできるプリペイドカードもあります。
このタイプのカードを使って決済すれば、為替手数料を気にせず使うことができます。
プリペイドカードは多種多様なものが流通しているので、あなたの利用シーンに合ったカードを選びましょう。
決済にはVISAやMasterCardが使われる
プリペイドカードの表面にはVISAやMasterCardなどの国際ブランドロゴが印刷されています。
プリペイドカードでは、この付帯している国際ブランドのシステムを使って決済が行われます。
そのため、世界中にある加盟店で決済することができます。
関係や移住国にもよりますが、取り扱い通貨や決済可能な店舗があてはまる場合、1枚は持っておきたいカードといえるでしょう。
海外プリペイドカードのメリット
ここからは海外プリペイドカードのメリットについて詳しくみていきましょう。
現地通貨をチャージできるカードもある
海外プリペイドカードによっては、日本円だけでなくさまざまな通貨をチャージできるタイプのカードがあります。
このタイプの海外プリペイドカードを使う場合、渡航先の現地通貨をチャージしておけば、為替手数料を無料にできるのが最大のメリットです。
通常、為替手数料は2~4%と高額なので、この手数料を無料にできるのはかなりお得ですよね。
紛失・盗難・不正利用時のリスクを軽減できる
セキュリティリスクを軽減できるのも、海外プリペイドカードの大きなメリットの1つです。
事前にチャージした金額の範囲内で使うという仕組み上、クレジットカードやデビットカードのように高額の被害が発生しにくいといえます。
最小限の必要な金額だけチャージするよう心がけておけば、万が一不正利用された場合でも被害を抑えられます。
もちろん、紛失や盗難に気づいたときには利用を停止できるのでこちらも安心です。
審査なしで発行できる
海外プリペイドカードはクレジットカードとは異なり、基本的に無審査で発行されます。
そのため、何らかの事情でクレジットカードを発行しにくい人でも問題なく持つことができるのもメリットです。
また、クレジットカードは18歳以上でないと発行できないことが多いですが、プリペイドカードは13歳以上であれば発行できることが多く、未成年の利用にもおすすめです。
海外プリペイドカードのデメリット
ここからは、海外プリペイドカードのデメリットを紹介していきます。
予期せぬ出費に弱い
海外プリペイドカードの特性上、事前にチャージした金額内でしか仕様できないため、予期せぬ高額の出費に弱いことが最大のデメリットです。
もちろん、多めにチャージしておけば予期せぬ出費に対応できますが、そうするとセキュリティ面でのリスクが高まるのが悩ましいところですよね。
筆者もこれまでの海外生活の中で、予期せぬ出費が何度もありました。
留学時代の友人にも、予期せぬ出費のために現金が全く手元になくなってしまった人がいました。
彼は渡航前に何も準備しておらず、時間のかかる銀行海外送金しか手段がなく「1週間近く、数百円のみで過ごさなければならない」といった状況に陥っていました。
もちろん海外に日本人の友人がいれば助けてくれるでしょう。
ですが、極力そんな事態にならないよう備えておきたいですよね。
海外プリペイドカードをメインに使う計画をもっている人でも、クレジットカードやデビットカード・国際キャッシュカードなどを複数の現金化手段を準備しておきましょう。
不正利用に対する補償がない
不正利用された場合の被害を抑えられるのはメリットといえますが、「不正利用されてしまった金額」にたいしては補償がないカードが一般的です。
そのため、万が一の不正利用には弱いといえるでしょう。
盗難や紛失した場合はすぐにカードを利用停止し、被害が広がらないようにしてくださいね。
海外プリペイドカード・国際キャッシュカード・クレジットカードの違い
海外旅行や留学・移住生活でよく使われる決済手段・現金化として、下記4つの方法がよくあげられます。
- 海外プリペイドカード
- デビットカード
- クレジットカード
- 国際キャッシュカード
この違いってちょっと分かりづらいですよね?
というわけで、これらの違いについて詳しく解説していきます。
主な違い次の一覧です。
種類 | 支払い方法 | ショッピング利用 | ATMでの現金引出し | 為替手数料 |
---|---|---|---|---|
海外プリペイドカード | 事前チャージ | 可 | 可 | 2~4% |
デビットカード | 銀行口座から引き落とし | 可 | 可 | 2~4% |
クレジットカード | 後払い | 可 | 可 | 年率15~18% |
国際キャッシュカード | 銀行口座から引き落とし | 不可 | 可 | 2~4% |
海外プリペイドカード
専用のカードを発行してチャージし、カードの残高の範囲内で使うカードです。
日本円でチャージし、海外で使った場合は2~4%の為替手数料が徴収されます。
デビットカード
銀行のキャッシュカードにデビット機能がついており、付帯されている国際ブランドの加盟店で利用できます。
使える金額は口座残高の範囲内です。
普段使っている銀行のキャッシュカードに「デビット機能」が搭載されている場合は、特別な手続きなしで海外利用できるのが特徴です。
クレジットカード
後払いで決済したい場合におすすめです。
また海外キャッシング機能を利用すれば、現地のATMで現地通貨を引き出すことができるので利便性も高いでしょう。
ただしキャッシングは借金扱いになるため、返済するまでの期間に応じて金利がかかります。
とはいえ、すぐに返済すれば金利はほとんどかからないので、為替手数料より安くなることが大半でしょう。
国際キャッシュカード
銀行のキャッシュカードに「PLUS」や「Cirrus」のロゴが表記されているカードが、国際キャッシュカードです。
現地のATMで現地通貨を引き出すための専用カードで、決済では使えません。
デビットカードやクレジットカードと比べると利便性は低いものの、すでに国際キャッシュカードを持っているなら海外へ持っていっておいて損はないでしょう。
おすすめ海外プリペイドカード3選
最後に、おすすめの海外プリペイドカードを3種類紹介します。
これから海外プリペイドカードを選ぶ人は、ぜひ参考にしてくださいね。
1. マネパカード
海外プリペイドカードのなかでも特に人気のあるマネパカード。
次の6通貨に対応しています。
- 日本円(JPY)
- アメリカドル(USD)
- ユーロ(EUR)
- ポンド(GBP)
- オーストラリアドル(AUD)
- 香港ドル(HKD)
一般的な海外プリペイドカードは利用前にあらかじめ両替しておくことが必要ですが、マネパカードには「おまかせ両替機能」がついています。
そのため、日本円を入金しておくだけで両替なしで自動決済してくれるのでとても便利ですよ。
両替の手間が省かれるので、面倒なことをしたくない人にピッタリですね。
また、海外・国内で使え、さらに利用ごとに1%がキャッシュバックされます。
現金を持ち歩くより安全で、さらに1%のキャッシュバックがあるのは嬉しいですね。
マネパカード | |
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対応通貨 | 日本円(JPY)|アメリカドル(USD)|ユーロ(EUR)|ポンド(GBP)|オーストラリアドル(AUD)|香港ドル(HKD) *上記6通貨以外の国でも、マネパカードに米ドルがチャージされていれば、マスターカードの換算したレートでショッピングやATMで現地通貨に変えられます。 |
入会金・年会費 | 無料 |
チャージ手数料 | 無料 |
両替手数料 | ・USD : 2.5円 ・EUR : 3.0円 ・GBP : 4.0円 ・AUD : 2.0円 ・HKD : 0.35円 |
海外ATM手数料 | ・USD : 2USD/回 ・EUR : 1.75EUR/回 ・GBP : 1.5GBP/回 ・AUD : 2.5AUD/回 ・HKD : 20HKD/回 |
おすすめポイント | ・ショッピング利用で1%キャッシュバック ・FX口座から外貨チャージも可能 |
2. NEOMONEY
筆者の移住地であるフィリピンへの長期滞在や、移住を考えている方におすすめの海外プリペイドカードNEOMONEY。
NEOMONEYは日本円をチャージして、世界各国の通貨を現地ATMで現金化できるカードです。
アメリカ・ドルやユーロ圏での利用であればお得感は薄れてしまうのですが、フィリピンや台湾・インドネシア・南アフリカなど滞在地域によってかなりお得になる通貨があります。
こちらのNEO MONEYも両替手続きなしで使えるので、日本円でチャージさえしていれば到着からすぐに使えて便利です。
また国内でもVISA加盟店であれば帰国後も利用できるため、払い戻しの手間や手数料もかかりません。
海外と日本を行き来する方にもぴったりですね。
NEOMONEY | |
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対応通貨 | 世界各国 |
入会金・年会費 | 無料 |
チャージ手数料 | 無料 |
海外サービス手数料 | 4% |
海外ATM手数料 | 200円 |
おすすめポイント | ・新興国までカバー。多数の外貨に対応 ・フィリピン留学生は他のカードよりお得 |
3. GAICA
GAICAは新生銀行グループのアプラスが発行している海外プリペイドカードです。
このカードは新生銀行のパワーフレックス口座と連携させることによって真価を発揮するといえるでしょう。
新生銀行口座と連携させると外貨でチャージすることができ、海外ATM利用時の手数料や残高を払い戻す際の手数料も無料です。
手数料も抑えられますし利便性もかなり高まるので、新生銀行口座をお持ちの方や口座開設を検討している人におすすめです。
なお、チャージできる通貨は次の通りです。
- 日本円(JPY)
- アメリカドル(USD)
- ユーロ(EUR)
- ポンド(GBP)
- オーストラリアドル(AUD)
GAICA | |
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対応通貨 | 日本円(JPY)|アメリカドル(USD)|ユーロ(EUR)|ポンド(GBP)|オーストラリアドル(AUD) *Flex機能がついていないタイプは、日本と世界200以上の国と地域で利用可 |
入会金・年会費 | 無料 |
チャージ手数料 | 無料 |
為替手数料 | 利用金額の4.0% |
海外ATM手数料 | 200円 |
おすすめポイント | ・ICチップ搭載でスキミングのリスク軽減 ・タッチ機能搭載で、キャッシュレス&サインレス |
海外プリペイドカードのまとめ
海外プリペイドカードは「チャージした残高内で使えるカード」なので、利便性に劣る反面、紛失や盗難時のリスクを下げられるというメリットがあります。
「信用に足りない店舗での決済では、クレジットカードを使いたくない」
こんな方もいらっしゃいますよね。
うまく活用すればとても便利なカードですし、なにが起こるかわからない海外生活ですので1枚は持っておくとよいですね。
対応通貨や利用シーンが合うお気に入りの1枚をぜひみつけてくださいね。