移住や長期留学などで、フィリピンに長期滞在する方におすすめのクレジットカードを紹介します。
筆者は2015年からフィリピンに滞在していますが、
- キャッシュカードスキミング
- iPhone盗難
わたしは少ない方?かもしれませんが、それでも2回被害にあっています。
海外では、日本と違って突発的な金銭的トラブルにあうことがよくあります。
スキミング被害ではカードを止めなければならならず、滞在中のキャッシング手段がかなり制限されてしまい、苦労したのを覚えています。
こんなこともありますので、不慮の事態に備えてクレジットカードは複数持っておくのがベストです。
また、クレジットカード付帯の海外旅行保険も適応されますので、割高の掛け捨て保険に加入しなくて済むのもクレジットカードを複数持つメリットです。
詳しく解説していきますね。
目次
クレジットカードの選び方
クレジットカードを選ぶポイントとして重視したいのは、以下の2点です。
- 海外旅行傷害保険が充実したクレジットカード
- 海外キャッシングに使えるクレジットカード
フィリピンの医療費は欧米などと比べるとそこまで高額ではないため、クレジットカード付帯の海外旅行保険でも賄えるケースが多いと思います。
海外旅行傷害保険が手厚いクレジットカードを持つよう心がけていると、割高な海外旅行保険に加入しなくて済むため、大きな節約になりますよね。
また、スリや盗難の多いフィリピンでは「携行品損害の補償」があるのも心強いです。
実際わたしがiPhoneの盗難被害にあったときも、クレジットカード会社の保険で保険金を無事受け取ることができました。
申請手続きから保険金の振込まで2ヶ月ほどかかったとはいえ、お金が戻ってくるととっても助かりますよね。
この記事では、このような観点からフィリピンに長期滞在する方におすすめのクレジットカードをご紹介します。
海外旅行保険のチェックポイント
前述の通り、クレジットカードを選ぶときには「海外旅行傷害保険」が付帯しており、その補償が手厚いものを選びましょう。
注目すべきポイントは次の通りです。
傷害治療費用・疾病治療費用の額
フィリピンに長期滞在するにあたり、最も必要になる可能性が高い保険が「傷害治療費用」と「疾病治療費用」です。
ケガをしたり病気になる可能性は死亡リスクに比べて高いため、補償が充実しているクレジットカードを選びましょう。
救援者費用
救援者費用は、医療搬送をする場合や日本から救援者が現地に渡航するための費用を補償するものです。
フィリピンの地方などで病気に罹患した場合、医療水準が高いマニラの病院に搬送する可能性があるなどのケースに役立ちます。
死亡保障の金額に釣られないように
一般的に、クレジットカードの付帯保険の宣伝では「最大1億円を補償」など「死亡保障」の金額が掲載されています。
しかし、保険を使う確率を考えると、死亡保障より治療費の補償を重視する方が賢い選択肢といえるでしょう。
海外キャッシング
長期滞在時には何らかの理由で緊急に現金が必要になり、キャッシングを利用しなければならない事態も起こりえます。
特にフィリピンはまだ現金主義ですので、特にローカルサービスでは、支払いを現金でしか受け付けていない店舗やサービスもあります。
そのため、海外キャッシングに有利なカードを選ぶことも大切です。
渡航前に海外キャッシングの利用方法や限度額など、忘れず確認しておいてくださいね。
フィリピン長期滞在者におすすめのクレカ4選
ここからは、セブ島在住5年目のわたしも実際に使っているクレジットカードを含め、移住者目線でフィリピン長期滞在者や留学生におすすめのクレジットカードを4枚紹介しますね。
1. エポスカード
年会費無料のクレジットカードとしては海外旅行傷害保険の補償が手厚く、また保険が自動付帯のエポスカード。
年会費無料で疾病治療費用の保険を重視したい人にとっては見逃せないカードです。
海外キャッシングも問題なく利用できます。
エポスカードの還元率は一般的なクレジットカードと同様の「0.50%~1.25%」ですので、お得度は決して高くはありませんが、海外旅行保険用としてだけでも持っておくだけでもおすすめです。
エポスカード | |
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発行会社 | 株式会社エポスカード |
年会費 | 無料 |
国際ブランド | VISA |
海外旅行傷害保険 | 傷害死亡 : 500万円 傷害治療 : 200万円 疾病治療 : 270万円 救援者費用 : 100万円 賠償責任 : 2,000万円 |
付帯 | 自動付帯 |
海外キャッシング | 利用可 |
貯まるポイント | エポスポイント |
還元率 | 0.50%~1.25% |
2. 楽天プレミアムカード
わたしも所持している楽天プレミアムカード。
会員費はかかりますが、海外と日本を行き来している方であれば、年会費なんてすぐに元をとれる!といっても過言ではないほど特典が充実しているクレジットカードです。
楽天ユーザーでなくても使いやすく、還元率も高めで保険関連も充実しています。
さらに、申し込み手続きは必要ですが、Priority Pass(プレステージ会員)の権利も付与されるんです。
一番スタンダードなPriority Passでも年会費は99ドル(10,800円)するので、年会費に対する特典だけですでに元をとれてしまう計算です。
もちろん年会費が有料である分、年会費無料のクレジットカードと比べて、海外旅行傷害保険の内容も手厚いため補償を重視する人にもおすすめです。
付帯する国際ブランドをVISA・MasterCard・JCB・AMEXの4つから選べますが、フィリピンで利用する場合は加盟店が多いVISAまたはMasterCardを選ぶのがいいでしょう。
わたしはVISAを使っています。
楽天プレミアムカード | |
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発行会社 | 楽天カード株式会社 |
年会費 | 10,800円 |
国際ブランド | ・VISA ・MasterCard ・JCB ・AMEX |
海外旅行傷害保険 | 傷害死亡 : 5,000万円 傷害治療 : 300万円 疾病治療 : 300万円 救援者費用 : 200万円 賠償責任 : 3,000万円 |
付帯 | 自動付帯 |
海外キャッシング | 利用可 |
貯まるポイント | 楽天スーパーポイント |
還元率 | 1.00%~5.00% |
3. 三井住友カード ゴールド
こちらもわたしが所持しているクレジットカードのひとつです。
三井住友カード ゴールドは前述の楽天プレミアムカードと同額の年会費ですが、救援者費用と賠償責任保険の補償額が高いのが特徴です。
さらに、利用方法や利用金額に応じて年会費が減額される制度も導入されているので、うまく使えばかなりお得に使えるでしょう。
国内主要空港の空港ラウンジも利用可能ですよ。
また、わたしが三井住友カード ゴールドを持っている大きな理由は、海外旅行傷害保険に「家族特約」が付いていることです。
幼い娘とともにフィリピンと日本を行き来しているため、家族特約付きのクレジットカードは本当に助かります。
三井住友カード ゴールド | |
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発行会社 | 三井住友カード株式会社 |
年会費 | 11,000円(税込) |
国際ブランド | Visa、Mastercard |
海外旅行傷害保険 | 傷害死亡 : 5,000万円 傷害治療 : 300万円 疾病治療 : 300万円 救援者費用 : 500万円 賠償責任 : 5,000万円 *家族特約付き |
付帯 | 自動付帯 |
海外キャッシング | 利用可 |
貯まるポイント | Vポイント |
還元率 | 0.50%~2.50% |
4. リクルートカード
3ヶ月以上海外に滞在する長期滞在者が1枚は持っておきたいのが、海外旅行保険が「利用付帯」のクレジットカードです。
クレジットカードの海外旅行保険は3ヶ月間有効です。
ちなみに、上記で紹介した3枚のクレジットカードはいずれも「自動付帯」のカードです。
自動付帯のカードの保険有効期間が切れた後に、このリクルートカードのような「利用付帯」のクレジットカードを使うことで、さらに保険期間を3ヶ月伸ばすことができる点が、利用付帯のクレカのメリットともいえます。
リクルートカードは年会費無料のクレジットカードでありながら、海外旅行傷害保険の補償がついています。
ポイント還元率も高く会員費無料ですので、発行しておいて損はないクレカです。
リクルートカード | |
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発行会社 | リクルート |
年会費 | 無料 |
国際ブランド | ・VISA ・MasterCard ・JCB |
海外旅行傷害保険 | 傷害死亡/後遺障害 : 2,000万円 傷害治療 : 100万 疾病治療 : 100万円 救援者費用 : 100万円 賠償責任 : 2,000万円 *家族特約付き |
付帯 | 利用付帯 |
海外キャッシング | 利用可 |
貯まるポイント | リクルートポイント |
還元率 | 1.2% |
クレジットカードは複数持ちしよう
これまでに紹介したクレジットカードはいずれも便利なカードですが、傷害治療や疾病治療の補償がやや頼りないと感じる方もいるかもしれませんね。
そこでおすすめしたいのがクレジットカードの複数持ちです。
クレジットカードを複数持っている場合、傷害保険において以下のような取扱がなされます。
傷害治療・疾病治療・救援者費用は合算される
傷害治療・疾病治療・救援者費用が支払われる条件を満たした場合、複数のカードを所持していれば、それぞれに付帯されている保険金額が合算され、損害額の範囲内で支払われます。
一例として、保証額200万円と300万円のカードを1枚ずつ持っていて、450万円の保険金が支払われる事故が発生した場合、損害額を按分してそれぞれのカードから併せて450万円が支払われます。
1枚だけでは損害額が補填されないものの、複数枚所持していることによって全額補填されることがあるので、複数枚持ちはとてもおすすめです。
保険期間が最大6ヶ月に
自動付帯と利用付帯のクレジットカードを持つことにより、保険期間が最大6ヶ月となります。
例えば、三井住友カード ゴールドのような自動付帯のクレジットカードで出国から3ヶ月間は利用付帯のカードの保険でまかないます。
保険が切れる出国から3ヶ月後に、リクルートカードのような利用付帯のクレジットカードで、現地で買い物(交通費・ホテル代など *カードの規定による)をすると、その日から3ヶ月間は利用付帯のクレジットカードの保険が適応されます。
自動付帯・利用付帯のクレジットカードを持つことにより、保障期間を3ヶ月から6ヶ月に伸ばすことができます。
死亡保障は合算されない
注意点として、傷害治療・疾病治療・救援者費用とは異なり、死亡保障は複数枚のカードを所持していても補償されません。
死亡保障は所持しているカードのなかで最も高いものが上限金額となるのでご注意くださいね。
例えば、1,000万円と5,000万円のカードを所持している場合は5,000万円が上限となります。
年会費無料のクレカを追加しよう
フィリピンは日本と比べると治安のよい国ではありません。
冒頭で紹介した通り、わたしもカードのスキミング被害に遭いカードを止めざるをえない状況になったため、大変不憫な思いをした経験があります。
クレジットカード1枚使えなくなることで、決済や海外キャッシングが利用できなくなります。
加えて、クレジットカード1枚だけの旅行傷害保険の保証内容・保証期間は、不十分だと感じる方も多いのではないでしょうか。
年会費無料のクレジットカードであれば、盗難のリスクにも対処できますし、保証額や保険期間の面からも安心ですよね。
ですので、サブカードとして年会費無料のクレジットカードはぜひ発行しておきましょう。
年会費無料のカードでは、前章で紹介したエポスカードやリクルートカードがおすすめの1枚です。
セブ島長期滞在におすすめのクレジットカードまとめ
留学や移住などでフィリピンに長期滞在する方におすすめのクレジットカードを紹介しました。
クレジットカードを選ぶときのポイントをまとめると以下の通りです。
- 国際ブランドがVISAまたはMasterCard
- 海外旅行傷害保険が手厚い
- 海外キャッシングに対応している
- 自動付帯・利用付帯のクレジットカードを併用する
- クレジットカードの複数枚持ちで保障額をあげる
これらのポイントを満たしているカードを選べば、フィリピン国内でも使いやすく、海外旅行保険に関しても安心です。
フィリピンは開発途上の国であるものの、今後はどんどんクレジットカードを使える環境が整っていくと予想されます。
まだまだ現金主義のフィリピンですが、ショッピングモールやレストラン・カフェなど、外国人向けの店舗であればクレジットカードは使えることが多いですよ。