働く場所にとらわれずに働けるIT系フリーランスの利点を活かし、海外移住を考えている人は多いはず。
フリーランス歴の長い私も5年ほど前からフィリピンへ海外移住しています。
いい国が見つかったら、せっかくだから永住したいと考えることもありますよね。
フリーランスを積極的に受け入れている国はいくつかありますが、その中でも特におすすめの「ドイツ」をピックアップして紹介します。
ドイツに移住して永住したいと考えている人、ドイツを足がかりにしてEU圏への海外移住を検討している人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
ドイツってどんな国?
国名 | ドイツ連邦共和国(Bundesrepublik Deutschland) |
---|---|
地域 | 中央ヨーロッパ |
首都 | ベルリン |
公用語 | ドイツ語 |
通貨 | ユーロ(EUR) |
政体 | 共和制 |
現在のドイツは1991年に西ドイツと東ドイツが統一(ドイツ再統一)されてできた国家で、世界4位/EU1位の経済大国です。
先進国なので生活水準も高く、海外ノマドの移住先としてもおすすめの国です。
アジアなどの後進国ではなく、先進国への海外移住を検討しているフリーランスの方は、フリーランス向けビザを発行していて、比較的移住の難易度が低いドイツを検討してみてください。
ドイツはフリーランスビザから永住権へのアップグレードもしやすい国なので、いずれ永住したいと考えている人にもおすすめです。
ドイツ移住のメリット
フリーランスとしてドイツに移住するメリットは、文化水準・生活水準の高さや滞在のしやすさです。
ドイツ移住の主なメリットを一覧で紹介すると、次の通りです。
- フリーランスビザが取得しやすく、比較的簡単に長期滞在できる
- 英語が通じる
- 生活水準・文化水準が高い
- 政治情勢が比較的安定している
- フリーランス向けの案件が充実している
それぞれのメリットについて説明していきます。
フリーランスビザが取得しやすく、比較的簡単に長期滞在できる
海外移住する上で確実に必要になるのがビザです。
日本国籍の方の場合、短期滞在なら90日まではビザなしでOKですが、90日以上滞在するには中長期滞在用のビザが必要になります。
フリーランスとしてドイツに移住する場合は、フリーランスビザ(Aufenthaltserlaubnis zur selbstständigen Tätigkeit – Erteilung)を取得しなければなりません。
ドイツでフリーランスビザを取得するための要件は以下の通りです。
- 有効なパスポート
- 証明写真
- 住民登録の証明書
- 健康保険加入者証
- ドイツ国内のクライアントとの契約を証明する書類(契約書等)
- 事業計画書
- 資金計画書
- 銀行の残高証明書
- 大学の卒業証明書
フリーランスビザを申請する場合は上記の書類が必要になります。
他にもポートフォリオや収益予測などを求められることがあるので、必要になりそうなものはしっかり準備しておいてくださいね。
また、ビザを取得するためにはドイツ国内にクライアントを持っている必要があります。
クライアントはドイツ国内の事業者であれば国籍は問われず、知り合いや先に移住していた人などでも対象になるため、しっかり探しておきたいですね。
なお、ビザプログラムの内容や必要書類は変更されることがあるので、以下のページなどを参考にしながら、最新の情報を常にアップデートしておきましょう。
» Residence permit for the purpose of self-employment – Issuance –
また、ドイツ国内でフリーランスとしての営業活動はビザに明記されている職種に限られるため、事業に必要な分野は全て申請しておくようご注意くださいね。
5年間滞在すると永住ビザの申請ができる
フリーランスビザを取得して事業を行い、5年間更新しながらドイツに滞在し続けると永住ビザを申請する権利が得られます。
そのため、ドイツへの永住を目指している人にもおすすめのルートといえるでしょう。
ただし、永住ビザを取得するためには5年以上年金保険に加入していなければなりません。
フリーランスビザを取得した際に免除申請をしていると保険加入期間が足りず、最短でビザを取得できなくなる点には注意が必要です。
永住ビザで滞在期間が合計8年に達するとドイツ国籍を取得できる
最短で永住ビザを取得した場合、さらに3年以上滞在して合計滞在期間が8年になるとドイツ国籍の取得申請ができます。
国籍取得のためには試験に合格し、ドイツ語のスキルを身につけておく必要がありますが、日本に戻る予定のない人・戻りたくない人にとってはおすすめの選択肢です。
ドイツ国籍を取得した場合、ドイツ国民としてEU加盟国間相互に移住することができるので、人生の幅が大きく広がりますよね。
このようにフリーランスビザからステップアップするドイツ移住は、長期滞在を目的とするフリーランスにはもちろん、海外に永住したい方におすすめの方法です。
英語が通じる
ドイツの公用語はドイツ語ですが、英語も通じます。
観光地や大きい街でしたら英語は通じますし、特にドイツの若い世代は普通に英語が上手ですので、英語ができれば日常生活であまり困ることはないと言えます。
私もイギリスで語学留学をしていた経験がありますが、英語学習に熱心なドイツ人留学生も多く、皆さん英語が上手いです。
とはいえ、役所などの手続きや家を借りる際など、「旅行ではなく、移住する」となれば現地語が出来るに越したことはありません。
ドイツ移住でドイツ語は必須ではないものの、積極的に学習はしていきたいですね。
生活水準・文化水準が高い
ドイツは先進国で世界4位の経済大国であるため、生活水準や文化水準が非常に高い国です。
そのため「海外移住するなら、先進国で快適に生活できる国に移住したい」と考えている人にピッタリですね。
文化遺産なども多いので旅行が好きな人にもおすすめですし、医療水準も非常に高いので滞在中に病気になった場合でも安心できます。
政治情勢が比較的安定している
ドイツはEU内でも政治情勢が比較的安定している国で、暴動などが発生しにくい国です。
移民の増加に伴う分裂がみられることもありますが、それでも南アメリカやアジアの開発途上国に比べれば、非常に安定しているので安心して生活できるでしょう。
政治情勢が不安定な国では、予想しなかったような規制がかけられて帰国を余儀なくされたり、事業を継続できなくなったりすることもあります。
しかしドイツはそういった政治による心配が少ない国といえます。
フリーランス向けの仕事が充実している
ドイツではフリーランスとして働いている人が多いので、フリーランス向けの仕事が充実しています。
高度な技術が求められる仕事もあるので、技術力を活かしたい人におすすめです。
日本にはまともなフリーランス向け案件が少ないと感じている人でも、ドイツでは条件のよい仕事を発見できることもありますよ。
ドイツ移住のデメリット
フリーランスの移住先としておすすめのドイツですが、もちろんデメリットも伴います。
- 役所でのビザの手続きに非常に時間がかかる
- フリーランスビザ取得の難易度が高くなりつつある
- 保険制度が複雑でわかりにくい
- 生活に不便な面もある
苦労して移住手続きをしたにも関わらず、移住に失敗して後悔することのないよう、是非デメリット面においても目を通しておいてくださいね。
役所でのビザの手続きに非常に時間がかかる
ドイツでは、役所でのさまざまな手続きに非常に時間がかかります。
ビザ取得で訪れる外国人局でも同様です。
アポイントを取っても、数カ月後の日程を指定されることもあるので注意が必要です。
さらに、準備しておいた書類に不備があると長時間待たされることにもなるので、必要なものは全て準備してから訪問するようにしたいですね。
予約を取っておけばオーバーステイにはならないものの、さまざまな手続きが遅れる原因になるので、移住スケジュールは入念に計画しておく必要があります。
フリーランスビザ取得の難易度が高くなりつつある
ドイツは先進国であるがゆえに、中東やアフリカ諸国からの移民が増えています。
そのため、年々長期滞在用のビザが取りにくくなっている傾向があり、フリーランスビザも例外ではありません。
ドイツ移住を検討している人は、できるだけ早く行動に移すのが得策といえるでしょう。
迷っている間にビザがなかなか取りにくくなる可能性もありますので、思い切って行動するのがおすすめです。
保険制度が複雑でわかりにくい
ドイツにも社会保障として健康保険や年金保険がありますが、ビザを取得するためには健康保険への加入が必須で、いずれ永住ビザを取得するなら年金保険にも加入しなければなりません。
ドイツの健康保険にはGKVと呼ばれる法定保険とPKVと呼ばれるプライベート保険があり、それぞれにメリット・デメリットがあるのでよく考えてどちらに加入するかを検討しましょう。
特にフリーランスビザで滞在する場合、PKVに加入してからGKVに掛け直すのは難しいため、慎重に選択しなければなりません。
このあたりの保険制度が複雑なので、必ず最新情報をチェックしてくださいね。
生活に不便な面もある
ドイツの各都市の人口は日本に比べると少なめで、街もコンパクトです。
その分便利な店なども少ないので、生活に不便を感じるかもしれません。
また、日曜日には街の中心部や駅前以外にあるお店が閉まっていることも多いので、日本より不便と言えるでしょう。
この点では、順応性が試されるかもしれませんね。
ドイツ移住に失敗しないための賢い移住手順
最後に、ドイツ移住のポイントをまとめますね。
移住手続きで失敗したくない人は是非チェックしておきましょう。
ドイツ国内のクライアントをみつけておく
ドイツでフリーランスビザを取得するためには、ドイツ国内のクライアントから仕事を受ける必要があります。
ドイツ国内のクライアントを予めみつけておくと、フリーランスビザの取得がスムーズに進みますよ。
前述の通り、ドイツに拠点を構えているクライアントであれば国籍は一切問われません。
必要な書類を忘れず準備する
ビザ申請に必要な書類のなかには、銀行の残高証明書や大学の卒業証明書など、日本で準備しておかなければならない書類が多くあります。
不備があった場合、日本から取り寄せるのは大変ですので、渡航前に全て揃えておきましょう。
実際に渡航して住居を確保する
ビザを取得する場合や現地の銀行口座を開設する場合など、移住生活の様々なシーンで住所が必要になりますで。
したがって、渡航したら早めに住居を確保しましょう。
外国人局でフリーランスビザの申請をする
フリーランスビザ申請の準備が整ったら、早めに申請の手続きを行いましょう。
申請の手続きをするためには予約が必要ですが、予約から申請まで数ヶ月待たされることがあるので、早めに行動することが大切です。
まとめ|ドイツ移住で楽しい海外ノマド生活を
今回はフリーランスの移住先としておすすめの国の1つ、ドイツについて紹介しました。
ドイツはフリーランスビザを取得することで長期滞在ができ、さらに永住ビザを取得して市民権に切り替えるというルートをとることができる稀有な国です。
そのため、永住目的で移住する人にとってもおすすめの国といえるでしょう。
EU圏内への再移住の足がかりにもなるので、日本に戻る予定がない人やEU圏内に永住したい人はぜひチェックしてみてくださいね。