海外移住・留学などで、海外長期滞在の予定がある方は、
「海外旅行傷害保険をクレジットカードの付帯保険で賄おう」
このように考える方は多いのではないでしょうか。
しかし、多くのクレジットカードでは海外旅行傷害保険の保証期間は90日間です。
3ヶ月以上の長期滞在には対応できないですよね。
しかし、海外旅行傷害保険「自動付帯のクレジットカード」と「利用付帯のクレジットカード」を併用して持つことによって、最大で180日まで保険期間を延長することができるんですよ。
この記事では、自動付帯と利用付帯のクレジットカードの2枚持ちで、海外旅行傷害保険の保険期間を延ばす方法について紹介します。
海外で90日~180日の長期滞在を検討していて、
- 保険会社の海外旅行保険に加入したくない
- 海外旅行保険代を節約したい・浮かせたい
こんな方はぜひ参考になさってくださいね。
自動付帯と利用付帯の違い
まず、自動付帯と利用付帯の違いについて簡単に解説しますね。
海外旅行傷害保険「自動付帯」
自動付帯のクレジットカードとは、カードを所持しているだけで海外旅行傷害保険が適用されるクレジットカードを指します。
日本を出国した時点で保険期間が始まり、基本的に保険期間は90日間有効です。
なお、90日以内に日本に入国した場合、その時点で保険が終了する仕組みになっています。
海外旅行傷害保険「利用付帯」
利用付帯のクレジットカードは、旅行に関する費用(交通費やツアーの代金)を当該のクレジットカードで支払うことにより、保険が有効となるクレジットカードです。
なお、クレジットカードの規定によっては、
- 日本出入国に関する交通費を支払う
- 現地での交通費を支払う
上記のいずれかを該当のクレジットカードで支払わなければ、保険が適用されないカードもあるので、渡航前に約款を必ず確認しておきましょう。
宿泊費の支払いは基本的に対象外なので、ご注意くださいね。
また、自動付帯カードのなかには、海外旅行保険の一部が利用付帯になっているクレジットカードもあります。
このような一部利用付帯のクレジットカードにも注意が必要です。
利用付帯クレジットカードで保険期間を延ばす方法
自動付帯と利用付帯のクレジットカードを使い、海外旅行傷害保険の保険期間を延ばす方法は次の通りです。
利用付帯の使い方によっては保険期間が延長できないことがあるので、各クレジットカード会社の約款には必ず目を通すようご注意くださいね。
1. 日本を出国する
まずは普段どおり旅行を手配し、日本を出国します。
なお、旅行費用の支払いでは利用付帯のクレジットカードを使わないようにご注意くださいね。
決済は自動付帯のクレジットカードか、別の決済手段を使いましょう。
2. 自動付帯カードの保険が有効になる
日本を出国すると、自動的に自動付帯のクレジットカードの保険が有効になり、海外旅行傷害保険が出国日から90日間適用されます。
この期間は自動付帯カードの保険を利用しましょう。
3. 利用付帯のクレカで公共交通機関の利用代金を決済する
自動付帯カードの海外旅行傷害保険の保険期間が終了する日までに、利用付帯クレジットカードで公共交通機関の代金を支払います。
ただし、どの交通機関の代金を支払えば利用付帯カードの保険が有効になるのかは、各クレジットカードによって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
特に、タクシーや運賃支払用のプリペイドカードは、保険適用の判断が分かれる可能性が高く確認必須です。
最も安全なのは、鉄道やバス・飛行機・船舶など「ダイヤに基づいて運行される交通機関」の支払いです。
利用付帯のクレジットカードは、これらの支払いに使うのがおすすめです。
4. 利用付帯カードの保険が有効になる
利用付帯カードで公共交通機関の代金を決済すると保険が有効になるので、保険期間がさらに90日延長されます。
これで自動付帯のクレジットカードの保険期間と合わせると180日となり、約6ヶ月間海外旅行傷害保険を利用できるので、うまく活用しましょう。
利用付帯クレジットカードおすすめ5選
ここからは、海外旅行傷害保険が利用付帯のクレジットカードをおすすめ順に紹介します。
これから利用付帯カードを準備しようと考えている人は、ぜひご参考にしてくださいね。
1. リクルートカード
リクルートカード | |
---|---|
国際ブランド | VISA / MasterCard / JCB |
年会費 | 無料 |
傷害死亡・後遺障害補償 | 2,000万円 |
治療費用補償 | 100万円 |
賠償責任 | 2,000万円 |
携行品損害 | 20万円 |
救援者費用 | 100万円 |
リクルートカードは還元率が高いことで人気のクレジットカードです。
海外旅行傷害保険だけでなく、クレカ自体の還元率も重視したい人におすすめです。
ただし、海外旅行傷害保険の「治療費用補償」と「救援者費用」の保障上限額が低めに設定されているため、その点はご注意くださいね。
滞在する国やケースによっては、全ての損害をクレジットカードのみで補償できない恐れもあります。
とはいえ、年会費無料のカードなので「とりあえず利用付帯のクレカを準備しておきたい」方に、ピッタリのクレジットカードといえるでしょう。
2. エムアイカード ゴールド
エムアイカード ゴールド | |
---|---|
国際ブランド | VISA |
年会費 | 5,400円 |
傷害死亡・後遺障害補償 | 1億円 |
治療費用補償 | 300万円 |
賠償責任 | 5,000万円 |
携行品損害 | 100万円 |
救援者費用 | 400万円 |
年会費が安めで補償が充実しているゴールドカードを探している人にはエムアイカード ゴールドがおすすめです。
ゴールドカードなので一般クレジットカードより補償が手厚く、かつ利用付帯なので保険期間延長の裏技が使えるクレジットカードです。
家族会員は無料ではありませんので、ホルダー本人の補償を手厚くしたい人におすすめです。
3. TRUST CLUB プラチナ マスターカード
TRUST CLUB プラチナ マスターカード | |
---|---|
国際ブランド | MasterCard |
年会費 | 3,240円 |
傷害死亡・後遺障害補償 | 3,000万円 |
治療費用補償 | 150万円 |
賠償責任 | なし |
携行品損害 | 30万円 |
救援者費用 | 50万円 |
TRUST CLUB プラチナ マスターカードは、年会費の安いプラチナカードでありながらさまざまな付帯サービスが魅力のクレジットカードです。
旅行傷害保険に関してはそこまで手厚くはないものの、家族会員は無料、さらに家族も補償を受けられるのが大きなメリットといえるでしょう。
また、海外保険以外のサービスも豊富に用意されているので、総合的にみて利便性が高いクレジットカードを探している人におすすめです。
4. アメリカン・エキスプレス・カード
アメリカン・エキスプレス・カード | |
---|---|
国際ブランド | American Express |
年会費 | 12,960円 |
傷害死亡・後遺障害補償 | 5,000万円 |
治療費用補償 | 100万円 |
賠償責任 | 3,000万円 |
携行品損害 | 30万円 |
救援者費用 | 200万円 |
通称アメックス・グリーンとして知られるアメリカン・エキスプレス・カードは、トラベルサービスが充実したクレジットカードとして人気があります。
旅行の手配からトラベルデスクでのサービスまで、海外旅行に役立つさまざまなサービスが用意されているので、ぜひ検討してみてくださいね。
もちろん、海外旅行傷害保険もしっかり用意されています。
治療費用補償が少ないと感じるかもしれませんが、付帯保険にプラスして加入できる「マイセレクトONE」も用意されているので、保障額に不安を感じる方は確認してみてくださいね。
注意点としては、他のクレジットカードに比べて利用付帯の条件がやや厳しく、現地で利用付帯を発動させるためには「時刻表によって運行されている公共交通機関」の運賃を、このクレジットカードで支払わなければなりません。
開発途上国ではクレジットカードが使えない国もありますので、渡航先の状況をしっかり調べておきましょう。
5. TRUST CLUB プラチナ Visaカード
TRUST CLUB プラチナ Visaカード | |
---|---|
国際ブランド | VISA |
年会費 | 37,800円 |
傷害死亡・後遺障害補償 | 1億円 |
治療費用補償 | 500万円 |
賠償責任 | 5,000万円 |
携行品損害 | 100万円 |
救援者費用 | 500万円 |
TRUST CLUB プラチナ Visaカードはプラチナカードとなるため年会費は高いものの、年会費に見合う補償やサービスが付帯しているクレジットカードです。
また、家族も補償の範囲になるので、家族の補償を重視している人におすすめといえるでしょう。
海外の長期滞在時に補償を充実させたい人にはピッタリのプラチナカードです。
他にもプライオリティパスやコンシェルジュサービスなどラグジュアリーなサービスがついており、海外旅行のクオリティを高めたい人にもおすすめです。
年会費が高くても、いざというときの補償は充実させたいという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
クレカで海外旅行傷害保険を延長する際の注意点
最後に、海外旅行傷害保険を6ヶ月に延長するとき、注意しておくべきポイントを紹介します。
利用方法を間違ってしまうと、場合によっては無保険になってしまう可能性がありますので、あらかじめ確認しておいてくださいね。
出国後の交通費決済で利用付帯保険が有効にならないカードもある
利用付帯のクレジットカードのなかには、
「日本を出国する前に旅行に係る公共交通機関の代金やツアー代金を支払うこと」
このような条件がついていることがあります。
この場合、現地で保険期間を延長するために鉄道やバスの運賃をカードで支払っても、利用付帯の保険は有効になりません。
このタイプの代表的なクレジットカードには「楽天カード」があります。
利用条件が厳しいクレジットカードがある
通常、現地で利用付帯の保険を有効にするには、
- 鉄道
- バス
- タクシー
- 飛行機
- 船舶
上記のような交通機関の運賃を、利用付帯のクレジットカードで支払う必要があります。
しかし、どの交通機関が保険を有効にする対象になるかはクレジットカードにより異なりますので、十分にご注意くださいね。
特に「タクシーやUberなどの、配車サービスが利用付帯の対象になるかどうか」は注意が必要です。
特にアメックスなどは、条件が厳しいので十分に注意しましょう。
アメックスの場合「時刻表に基づいて運行されている交通機関であること」という条件となっています。
まとめ
海外旅行傷害保険が自動付帯のクレカ+利用付帯のクレカを併用し、通常90日の保険期間を180日まで延ばす方法について紹介しました。
いくつかの注意点はあるものの、うまく利用付帯カードを使えば延長できるので、海外で長期滞在する人はうまく利用して節約につなげてくださいね。
ただし、利用付帯カードの中には、
- 補償額が十分でないクレジットカード
- 国外での決済は対象外のクレジットカード
こういったクレジットカードもありますので、約款をよく確認し、海外で無保険にならないように注意しましょう。